2016年1月31日日曜日

マイインターン感想 藤かご自転車のアンハサウェイがストライクゾーンを直撃

マイインターン視聴。幸運にもANAでやっていたのでシンガポールに戻る夜行便の睡眠時間を削って。
大作を観た!というような満足感のある映画ではなかったけれど、身体の芯に暖かい灯が灯るような、明日から少し頑張ってみようと思わせるような、そんな物語の力を持ったとても良い映画だった。

ストーリー自体は、まぁごく普通。アンハサウェイ演じる、仕事に家庭にとてつもなく忙しく余裕のないベンチャー会社の社長が、ひょんなことから雇いれたロバートデニーロ演じる定年再雇用のインターンと出会って大切な事を思い出す、という、書いてしまうとまぁごくごくよくありそうなお話だ。ただ、映像班がアンハサウェイとロバートデニーロを魅力的に描くことに全力を傾けているのが印象的で、結果として描き出される二人の主人公の魅力がこの物語に力を与えている。情熱を傾けるあまり、時に趣味に走りすぎるあたりも好印象だ。劇中、アンハサウェイ演じる女社長が、社内を藤かごの自転車で走るシーンがあるんだが、そんなに広くない会社の中でこのシーンのまぁ不自然なこと不自然なこと。おま!藤かごの自転車を走らせるアンハサウェイを撮りたかっただけだろ!というね。でもその甲斐はあった。軽々と自転車を漕ぐアンハサウェイのチャーミングなことといったら!今、彼女以上に藤かご自転車の似合う女性はいないと言っても過言ではないし、ショービズ業界はベストジーニスト賞などというありふれた賞は今すぐ廃止して今年からベスト藤かごサイクリスト賞を創設した上で毎年アンハサウェイをアワードするべきだし、ハリウッドの監督は、彼女の出る作品にはインターステラーだろうがレミゼラブルだろうが、必ず藤かご自転車を走らせるシーンを入れるべきだと思う。考えてみたら、昔から藤かご自転車を漕ぐ女の子、というのが好きだった。海沿い道や、爽やかな風の吹き抜ける緑道や、古い石畳の街道を藤かごの自転車でさっそうと走り抜ける。きっと白いリボンの付いた麦わら帽子なんかかぶっていて、それが風に飛ばされて、拾ってくれた男の子と恋にってごめんなさい、ちょっとストライクゾーンを直撃されすぎて錯乱しました。

何の話をしていたんだっけ。そうそう、マイインターンだった。そのシーン以外でも、アンハサウェイはとにかく魅力的で、ある種神々しいくらいだった。彼女が演じるのはキャラクタ設定的には、一代でベンチャーを築きあげた、やり手だけどとてつもなく性格的にキツイ女社長、なんだけど、何しろ演じてる人がチャーミングなので、何をしてても、はぁ、かわいいなぁ。。というため息しか出て来ず、キャラクタ設定の説得力ゼロ。ある種何に触れても黄金に変わってしまった王様の寓話を思い出す。なんでこんなにチャーミングなんだ、アンハサウェイ。ロバートデニーロもとてもよかった。穏やかなで思慮深い老紳士を活き活きと演じていて、ああ、こんな歳の取り方をしたいな、と思わせるいぶし銀のような演技で舞台を暖かなものにしていた。これはもう配役勝ちの世界。この二人をキャストできた時点で勝ったも同然。メッシとクリロナを雇えたら、誰だって2トップにボールを集めて個の力でゴリゴリ点を取るサッカーをするだろ、とかそういう話だ。オシムは激怒するだろうが。。何の話をしているのか何だか全然わからなくなってきたけど、結論としてはオススメ、あとアンハサウェイ最高!ということで。