2016年2月2日火曜日

海外旅行では積極的にクレジットカードを活用しよう!みたいな言説をよく見るが、正気か、と思う話

シンガポールに駐在してもうじき4年になる。自分もまわりの同僚も含めて、それなりに出張をこなした結論として、少なくとも東南アジアにおいては、よく旅行術やライフハックの記事で見かける、海外旅行ではクレジットカードを活用しよう!というような話はありえないと思っている。理由は単純で、悲しいかなアジアの多くの国でホテルもレストランもカードを切るには信用できない、怪しいところが多くスキミング被害が懸念されるからだ。
実例をあげよう。一例目。同僚氏、KLの某4つ星ホテルに滞在、カードで支払い。そのあと1ヶ月くらいしたある日、突然カードの引き落としを知らせるSMSが立て続けにガンガン届く。聞くと1000ドルづつ突然引き落としをされているとのこと。あわてて銀行と話してカードを止めるも、引き落としされた分を取り戻すために各種面倒な手続きを、駐在終わりの死ぬほど忙しい時期にする羽目に。二例目。別の同僚氏、インドネシアのATMで海外引き出し可能なキャッシュカードで引き落とし。同じく後日SMSの立て続けの通知に叩き起こされる。回復については以下同文。三例目。また別の同僚氏。やはりインドネシアのレストランでカードを切る。ある日SMSで以下同文。プロっぽい手口だな、と思ったのが、先方、スキミングして基本宝石を買うらしい。出入国の時に運びやすいように、ということらしい。もちろんどの例でもカードの保険があるために自分の口座に最終的にダメージが及ぶことはないものも、カードを変えたり、そのカードで引き落としをしていた公共料金の引き落とし手続きを変更したり、口座の資金回復のための書類手続きをしたりと本当に煩雑そうだった。安全に使うのであれば、限度額を最低限な額に設定し、かつ継続的な引き落としには使用していないカードを使うようにしつつ、万が一の連絡先を確実に控えるようにしたほうがいいが、ぶっちゃけそんな面倒なことを考えるなら使う額を確実に両替してニコニコ現金払いの方が安全だと個人的には思う(最低限の金額以外はホテルの金庫にきちんと施錠して保管する前提で)。
もちろんホテルの保証や万が一のためにクレジットカードは必携ではあるが、最低限の使用に限って注意深く使用した方がよいだろうと思う。こういう取り回しの良し悪しは旅行のスタイルにもよって変わる。例えば5つ星ホテルにしか泊まらないし空港の行き帰りもホテル送迎を利用、タクシーを使う気はさらさら無し、レストランもそのホテル内で済ませて全てルームチャージ、とかだったらまぁキャッシュはいらないだろうが。いずれにしろ、何かあった時に最後にあてになるのはゲンナマなのは確かだ。こと東南アジアにおいては、きちんと両替をして現地通貨を持っていき、カードはバックアップとして扱うことを個人的にはお勧めする。現地通貨に加えて、どこか最後のお守りになるところにUSドルを忍ばせておくととても安心できる(何度かお世話になった)。合わせて用意するとよいだろう。ネットの記事的にはコンセンサスとしてクレジットカードの最大限の活用がコンセンサスっぽかったので、警鐘の意味合いも兼ねて書いてみた。

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